

こんにちは!
もとす・ファミリー歯科 院長の若松諒です。
今回はファイル除去についての投稿です。
根管治療における「ファイル除去」とは、根管内に破折(折れて残ってしまった)した器具(ファイル)を取り除く処置のことを指します。
ファイルは根管を清掃・拡大するための細い金属器具ですが、非常に細く、強い湾曲のある根管ではまれに折れてしまうことがあります。
◆ なぜファイル除去が必要なのか?
ファイル片が根管内に残ると、以下のような問題を引き起こす可能性があります:
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ファイルが詰まっているせいで先端まで清掃・消毒できない
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殺菌しきれなかった細菌が残り、再感染のリスクが上がる
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根尖病変(膿の袋)が治らない、または再発しやすい
ただし、位置や根管の形態によっては、無理に除去せず経過観察や超音波洗浄で代替することもあります。
◆ ファイル除去の方法
高度な技術と機材が必要となり、一般的には以下の方法がとられます。
1. マイクロスコープ下での除去
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根管内を拡大視野で観察できるため、
小さな破折片でも位置を確認しながら安全に除去しやすい。
2. 超音波チップ(Ultrasonic)を用いた除去
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ファイル周囲の歯質を丁寧に削り、破折片を振動で浮かせて取り除く方法。
3. トレフィンバー・ミニチューブ(Masserann法など)
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主に前歯などの太い根管で使用。
ファイルを管状の器具で掴んで引き抜く。
4. バイパス法
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ファイル自体を除去せず、その横に通路(バイパス)を作り、先端まで清掃できるようにする方法。
◆ ファイル除去の成功率とリスク
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成功率は位置・長さ・根管の湾曲度で大きく変わる
→ マイクロスコープがある医院ほど成功率が高い -
無理な除去は
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さらなる破折
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根管の穿孔(穴があく)
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歯質の喪失
のリスクがあるため、術者判断が重要。
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◆ ファイル除去が必要になる典型的なケース
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過去に治療した歯が治らず、再根管治療を行うときに破折ファイルが見つかった
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マイクロスコープのない環境で治療された症例
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強く湾曲した根管(特に下顎大臼歯の近心根など)
当院では、保険診療だけでなく自費の根管治療にも対応しております。
じっくり時間をかけて丁寧に処置を受けたい方におすすめです。
気になる方はスタッフまでお問い合わせください。

