
こんにちは!
もとす・ファミリー歯科院長の若松諒です。
今回は歯周病によって根の先が膿むリスクについてと、治療法についての投稿です。
なぜ感染根管になるのか?
正常な歯では、歯の内部にある歯髄(神経・血管)は、エナメル質や象牙質、セメント質などによって口腔内の細菌から守られています。
しかし歯周病が進行すると、
① 歯周ポケットが深くなる
↓
② 歯を支えている骨が溶け、炎症が根の先や根の側面にまで進む
↓
③ 根の表面にあるセメント質が破壊される
↓
④ 根の側面にある副根管や根尖孔などを介して細菌が歯髄・根管へ侵入する
↓
⑤ 歯髄が壊死し、根管内が細菌感染する
↓
⑥ 感染根管となる
という流れが起こることがあります。
特に重要なのが「側枝・副根管」
歯の根には、メインの根管だけではなく、側枝や副根管と呼ばれる細い通路があります。
重度の歯周病では、歯周ポケットからの細菌がこれらの通路を経由して歯髄側へ到達することがあります。
そのため、
「歯周病だから直接神経に菌が入る」というより、歯周組織の破壊が進み、歯周組織と根管系の交通が生じることで感染する
と考えると分かりやすいです。
ただし、すべての歯周病が感染根管になるわけではありません
ここは臨床上かなり重要です。
歯周病による骨吸収があっても、歯髄が正常に生きているケースはあります。
一方で、深い歯周ポケットから根尖部まで病変が連続している場合などには、歯髄壊死を伴うことがあります。
そのため「深いポケットがある=感染根管」と単純には判断せず、
- 歯髄電気診・冷温診などの歯髄診査
- デンタルX線
- 必要に応じてCT
- 歯周ポケットの深さ・形態
- 根尖病変の有無
などを組み合わせて、歯周病由来なのか、根管由来なのか、あるいは両方なのかを診断します。
歯科医師向けに一言でいうと
「歯周病の進行による歯周組織の破壊が、側枝・副根管や根尖孔などを介して根管系へ波及し、歯髄壊死・根管感染を引き起こすことがある。

治療の基本的な考え方
① まず原因を診断する
- 歯周ポケットの深さ・形態を確認
- レントゲンやCTで骨吸収や根尖病変を確認
- 冷温診・電気歯髄診などで歯髄の状態を確認
ここで、
「本当に歯周病から根管へ感染したのか」
「もともと根管感染があって歯周組織に影響しているのか」
を見極めます。
② 感染根管に対して「根管治療」

歯髄が壊死して感染している場合は、根管の中に入り込んだ細菌や感染組織を除去します。
イメージとしては、
歯周ポケット → 細菌が根管へ侵入 → 根管内が感染
となった場合、
根管内を清掃・消毒 → 根管充填 → 土台・被せ物で封鎖
という流れです。
特に感染が強いケースでは、ラバーダム防湿やマイクロスコープを使用して、できるだけ根管内への再感染を防ぎながら治療することが重要です。
③ 同時に「歯周病治療」
根管治療だけでは、感染源となった深い歯周ポケットが残ってしまいます。
そのため、
- 歯石・プラークの除去
- 歯周ポケット内の清掃
- ブラッシング指導
- 必要に応じて歯周外科治療
などを行い、歯周病そのものをコントロールします。
④ 治療後に骨が回復するか確認
原因が取り除かれると、根尖部や歯周組織の炎症が改善し、失われた骨が徐々に回復してくることがあります。
ただし、長期間の重度歯周病では支持組織が大きく失われており、完全な回復が難しい場合もあります。
私は歯科治療の中で特に根管治療に力を入れております。
学生の時によくわからないまま処置を受け、再発を繰り返して悩んだことがあります。
当院に来られた患者さんがそうならないよう、処置だけでなく説明にも力を入れています。
気になる方、悩みのある方はお気軽にスタッフまでお問い合わせください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
監修 もとす・ファミリー歯科 院長 若松 諒