
こんにちは!
もとす・ファミリー歯科 院長の若松諒です。
今回は、歯ぎしりや食いしばりを放置するとどうなるかについての投稿です。
(1)歯ぎしり、食いしばりの原因とは
■ ① ストレス・心理的要因(最も多い)
日常生活でのストレスや緊張が強く関係しています。
無意識に歯を噛みしめることで、ストレスを発散しようとする反応です。
- 仕事や人間関係のストレス
- 不安・緊張状態
- 集中しているときの癖
👉 特に睡眠中の歯ぎしりは、この影響が大きいとされています。![]()
■ ② 噛み合わせ・歯並びの問題
噛み合わせが不安定だと、無意識に「しっくりくる位置」を探して歯を動かし続けてしまいます。
- 被せ物や詰め物の高さが合っていない
- 歯並びの乱れ
- 歯の欠損(抜けたまま)
👉 ただし、これだけが原因になるケースは意外と少なめです。
■ ③ 睡眠の質の低下
睡眠が浅いと、歯ぎしりが起こりやすくなります。
- 寝不足
- 不規則な生活
- 寝る前のスマホやカフェイン
- 睡眠障害(例:睡眠時無呼吸症候群)
👉 睡眠のリズムを整えることはとても重要です。
■ ④ 習慣・癖
日中の無意識の癖も大きな要因です。
- パソコン作業中に歯を食いしばる
- スポーツや重い物を持つときの食いしばり
- 頬杖や猫背などの姿勢不良
👉 「気づいたら歯を離す」意識づけが大切です。
■ ⑤ 神経・脳の影響
脳の働きや神経伝達の影響も関与すると考えられています。
- 神経の興奮状態
- 一部の薬の副作用
- アルコール・喫煙
■ まとめ
歯ぎしり・食いしばりは
👉 ストレス+生活習慣+口の中の状態が組み合わさって起こるものです。
(2)歯ぎしり、食いしばりのによる症状とは
■ ① 歯に現れる症状
まず一番わかりやすいのが歯の変化です。
- 歯がすり減る(平らになる)
- 歯の先端が欠ける・ヒビが入る
- 冷たいものがしみる(知覚過敏)
- 被せ物や詰め物がよく外れる・割れる
👉 強い力が繰り返しかかることで、歯にダメージが蓄積します。
■ ② 顎(あご)の症状
噛む筋肉や関節にも負担がかかります。
- 朝起きたときに顎がだるい・痛い
- 口を開けにくい
- カクカク音がする
これは顎関節症につながることもあります。
■ ③ 筋肉の症状(顔・肩)
噛む筋肉は頭や首ともつながっているため、広い範囲に影響が出ます。
- 頬(エラ)が張る・疲れる
- 頭痛(特にこめかみ周辺)
- 肩こり・首こり
👉 無意識に筋トレをしているような状態です。
■ ④ 歯ぐき・骨への影響
強い力は歯だけでなく、歯を支える組織にも影響します。
- 歯ぐきが下がる
- 歯が揺れる感じがする
- 歯周病の悪化(歯周病の進行を助長)
■ ⑤ 睡眠中のサイン
自分では気づきにくいですが、重要なヒントです。
- 家族に「ギリギリ音がする」と言われる
- 朝起きたときに疲れている
- 寝てもスッキリしない
■ まとめ(臨床的なポイント)
歯ぎしり・食いしばりは
👉「歯・顎・筋肉・歯ぐき」すべてに症状が出るのが特徴です。
特に注意したいサインは
- 朝の顎のだるさ
- 歯のすり減り
- 繰り返す詰め物のトラブル
これらがあれば、かなりの確率で関与しています。
(3)歯ぎしり、食いしばりに対する対策とは
■ ① マウスピース(ナイトガード)

最も基本で、確実性の高い対策です。
- 就寝時に装着して歯を守る
- 力を分散させて歯や顎の負担を軽減
- 詰め物・被せ物の破損予防
👉 **“治す”というより「ダメージを防ぐ装置」**です
👉 歯科医院で作るオーダーメイドが理想
■ ② 日中の食いしばりコントロール(かなり重要)
実は、日中の癖の改善がとても大切です。
基本のポジションは
👉 「唇は閉じて、歯は離す」
- 気づいたら歯を離す
- デスクワーク中にリマインドを設定
- 「上下の歯は接触させない」が原則
👉 正常でも歯が接触している時間は1日20分以内と言われています
■ ③ ストレス対策
歯ぎしりの最大の原因はストレスです。
- 軽い運動(ウォーキングなど)
- 入浴でリラックス
- 深呼吸・ストレッチ
👉 「ゼロにする」ではなく、発散ルートを作ることが重要です
■ ④ 睡眠の質を上げる
睡眠が浅いと歯ぎしりは増えます。
- 寝る前のスマホ・カフェインを控える
- 就寝時間を一定にする
- 枕や寝姿勢の見直し
必要に応じて
→ 睡眠時無呼吸症候群のチェックも検討
■ ⑤ 噛み合わせの調整(必要な場合のみ)
ケースによっては歯科的な介入も行います。
- 高すぎる被せ物の調整
- 明らかな噛み合わせの異常の改善
👉 ただし「噛み合わせだけが原因」は少ないため、慎重に判断します
■ ⑥ 筋肉へのアプローチ
咬筋(こうきん)へのケアも有効です。
- 頬(エラ部分)のマッサージ
- 温める(ホットタオルなど)
重度の場合は
→ ボツリヌス療法(筋肉の緊張を弱める)を検討することもあります
■ まとめ(臨床的に重要な順)
優先順位としては
1️⃣ マウスピースで守る
2️⃣ 日中の食いしばりに気づく
3️⃣ ストレス・睡眠の改善
👉 この3つでかなりコントロール可能です
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
監修 もとす・ファミリー歯科 院長 若松諒